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2005年07月08日

英国ロンドンにおいて生じた突発的暴力に関する声明


「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」政策グループ

1.英国からの報道によると、7月7日8時51分から9時47分にかけて、ロンドン市街地を走行中の地下鉄およびバス内で4回の爆発があり、7月8日午前10時現在までのところ、少なくとも37人の人命が失われ、700人以上が負傷しました。英国政府はこれをテロ事件と断定しています。犯行グループはまだ確認されていません。

2.初めに、私たちは、事件により亡くなった人々に、心より哀悼の意を表します。
また、世界の貧困の克服を目指す私たち市民社会は、こうした暴力行使を厳しく峻拒します。物理的暴力により故意に人を傷つけ、人命を奪うことは、いかなる場合にも許されるべきではありません。


3.折しも英国で行われていたG8サミットは、世界の貧困克服とそのためのアフリカ支援を主要な議題としていました。私たちは、この突発的暴力により、G8サミットでこれらの重要な議題が十分に討議されなくなることを恐れます。

4.現在、この突発的暴力を行使した者は誰なのか、また、どのような意図で行使されたのかについて判断をなし得る適切な情報はありません。しかし、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以来、私たちは次のことを強く思い知らされてきました。すなわち、貧困の拡大、貧富の差の拡大と世界の二極化、それがもたらす絶望感こそが テロリズムの連鎖をもたらすということ、貧困とそれがもたらす絶望感に正面から取り組むことこそが、テロリズムの連鎖を断ち切ることにつながるということです。

5.逆に、今回生じた突発的暴力は、米国同時多発テロ以降アフガニスタン、イラク を始めとする世界各地で遂行されてきた、「テロとの闘い」を名分とする世界的な軍 事的手段の行使は、先進国におけるテロリズムの防止においても有効でなかったとい うことを暗示しています。私たちは、このG8サミットに向け、「貧困との闘い」に 一歩を踏み出したこの世界が、この突発的暴力によって退歩することを何よりも恐れ ます。貧困との闘いは、テロリズムとの闘いを包含するものです。この突発的暴力の 犯行グループが何よりも恐れているのは、世界が世界が貧困との闘いに本格的に足を 踏み出すことなのです。

6.私たちは、G8首脳がこの突発的暴力に屈することなく、また、旧来の「テロと
の闘い」の文脈に退却することなく、貧困の克服のためのアフリカ支援や気候変動へ の取り組みについて、堂々と討議し、これらの課題を前進させることを求めます。そ のことこそが、テロリズムの根源としての貧困と絶望感を克服する、本来の意味での 「テロとの闘い」であると言えるからです。また、犯行グループを孤立させ、その意 図を挫く上で最も有効なのは、この突発的暴力が与えた打撃に屈せず、G8サミット を遂行し抜くG8首脳のリーダーシップであると言えるからです。

7.最後に、私たちは、突発的暴力の犠牲となった37名の人々に加え、貧困によって死ななくてもよい死を迎えなければならなかった人々に対しても、哀悼の意を表さな ければなりません。この日の8時51分から9時47分までの間に、貧困が原因でなくなった子どもたちは、世界で1120人(注1)。エイズによって命を失った人は、途上国 で372人、このうち、治療にアクセスできずに亡くなった人は少なくとも310人にのぼります(注2)。死ななくてもよい死、理不尽な死を迎えざるを得なかったという点 で、彼・彼女らの死は、ロンドンの突発的暴力の犠牲者たちの死と共通する重みを持 っているのです。

注1:世界では3秒に1人の子どもが、貧困ゆえに生命を失っている。出典:ユニセ
フ編「The State of the World's Children 2005」109ページ。

(参照:http://www.unicef.org/publications/index_24432.html)

注2:世界のエイズによる死亡者の数は年間約350万人。このうち少なくとも6人に 5人は、本来必要な治療を受けられずに亡くなっている。出典:UNAIDS/WHOの各種年間レポート
(参照:http://www.unaids.org/

投稿者 sustena : 2005年07月08日 11:26

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